映画版ビーストウォーズ レポート
ビーストウォーズ・メタルス 「コンボイ大変身」 1999.8.1.


このたびの「ビーストウォーズ映画版」は、スーパードールリカちゃん、ミクロマンとの3本立てでした。

例によって画面はかなり暗く、唐突な解説から話は始まる。 なんと我らがトランスフォーマーたちが活躍していた惑星エネルゴア、これがなんと400万年前の地球だったというのだ。(と、いうことは、デストロンたちが当初、目指していた目標地点そのままにちゃんと到着していたことになるな。) 

しかも、メガトロンたちがこの地球にやってきた目的は、エネルゴン集めなどではなく、この時代のここにいる、サイバトロンの「伝説の勇者」を倒すことにあったという。なんともまあ、唐突な事実が次々と明らかにされたものだ。

そしていきなり、惑星エネルゴアには、(いや「400万年前の地球」と呼ぶべきか、)いままで影も形もなかった人間の祖先たちも現れたりして、にぎやかな事このうえない様子になっているのだった。


にぎやかといえば、サイバトロン、デストロンともに新規加入&異動に昇進が激しい。

まずサイバトロン側。司令官のコンボイさんだが、去年の冬の映画でトランスメタルス化してたと思ったら、約半年後の夏にはその「伝説の勇者」のスパークを救うため(と称し)、彼と合体、みんなの見ている前で成長なさっていた。そして、もうコンボイともゴリラともメカともつかない奇妙な姿、黄色と紫という凶悪なカラーリング、さらには4段変身を可能として、もう誰にも止められないお方として新生されている。
(追加 いわゆるパワードコンボイさんのこと)

他には、チータスとラットルがやっぱりつるつるボディの「トランスメタルス」化しており、ライノックスがそのまま、新規加入者では冬の映画で活躍済みのシルバーボルト、さらにはエイに変身するデプスチャージが参入している。ついでに、「理由あって」ということで、ブラックウィドーがちゃっかりサイバトロンに寝返ってもいる。ちなみに他のメンバーは今回画面に出てこない。元気でいるのだろうか。


対するデストロン側。破壊大帝メガトロンは、いきなり本当の目的が”サイバトロンの「伝説の勇者」倒し”だったなんて言い出す他は、去年の冬からお変わりなしで、”空飛びぴかぴか恐竜”として画面狭しと飛び回ってくれる。
あとは、「メタルス化」しているおなじみタランス、かにのランページ、新規加入のクイックストライク。そしてまだ通常のままのワスピーターにインフェルノ。そしてやっぱりその他の奴は出てこない。これまた元気でいるんだろうか。

(※ なお、映画版として公開されたこの話は、本来シリーズ43話目の"CUTTING RDGE"の日本語版となります。)


STORY


  さて、400万年前の地球。うろ覚えだが、場面は草むらで、見慣れぬ銀色の恐竜が進んでいたような気がする。その行く先には、あるものたちがいた。何せここは400万年前の地球だったので(しつこい)、人間の遠い祖先の原始人達が、どこからともなく沸いて暮らしていたのだ。さっそく彼らに襲い掛かる銀色恐竜。これは、後で分かるが、メガトロンの作り出した操り恐竜、「サイバーラプター」という。

 

 たちまち原始人達は逃げ出すが、そのうち、原始人の子供の兄弟が、枝で編んだようなテント?に追いつめられてしまう。彼らが逃げ込んだ枝の間から口を突っ込み、さかんにぱくぱくとやる恐竜。とそこに、救世主が現れた。コンボイさんとシルバーボルトが上空を通りかかったのである。
原始人の子供たちは危険を脱したが、なぜかコンボイさんは、彼らを基地に連れ帰ってしまう。そして、基地ではしゃぎまわる子供たちを見てから、彼らを家に送らねば、と言い出す。なんでだ。

 ところで、いま基地といったがサイバトロンの基地も、おなじみ「滝のうえ宇宙船基地」ではなくて、岩山の洞穴みたいなとこに引っ越している。そしてコンボイさんは、子供を家まで送る役目をブラックウィドーに命じるが、彼女は当然嫌がり、空飛びゴリラの当人がやれば〜という態度だったが、空から捜しても分からないだろう、というライノックスの言葉もあって、結局その役目を負わされてしまう。するとさっそく、彼女にぞっこんのシルバーボルトが自分もついていくと叫ぶが、お前は彼女に優しすぎる、とコンボイさん却下。だったら自分が行こうと言い出したメタルスチータスにお供を任せる事にする。原始人の子供をつれ、散歩がてらにのこのこ基地を出て行く二人。それを見送るシルバーボルトの目は、穏やかではない。

 もっとも、(いつの間にか)サイバトロンになっていたブラックウィドーには、怪しげな行動がないでもなかった。外に出る前に、何か重要機密(?)を持ち出そうとするところを、ラットルに目撃されていたりもする。ラットルは彼女への不信をあらわにするのだが、仲間の反応はいまひとつにぶい。

 一方、基地を出たチータスは、原始人の子供を背中に乗っけて空を飛んでやったり、サービス満点に寄り道をする。

 もうひとりの原始人にまとわりつかれているブラックウィドーは、うっとおしさを隠そうともしなかったが、原始人の子は構わずまとわりつく。と、子供は不意にその顔をこわばらせた。彼ら4人の背後にデストロンが現れたのだ。生身の原始人を二人もかかえ、不利な状況に追い込まれたチータスとブラックウィドー。

 襲ってきたのは誰と誰だったかな。たぶん、ワスピーターとタランスと、サイバーラプターかな? ともあれワスピーターはさっさと片づけられ(笑)、タランスもやられたと思ったが、一方チータスも倒されてすっ飛んでいってしまう。残った銀色恐竜、サイバーラプターは高い木の上に避難した原始人の子供めがけて、さかんにぱくつく。(よほど執着してるらしい)
その場に残されたブラックウィドーは、選択肢は2つ、デストロンらしく原始人を助けないで自分だけ逃げるか、サイバトロンらしく彼らを助けるか、と一瞬悩んだが、すぐサイバーラプターに一撃加え、その隙に子供達をかっさらって崖下に逃げこむ。その着地点には倒れたチータスがいた。彼女はチータスに、ひとまず原始人の子供たちを乗せ、基地まで飛んで返すよう言うが、彼はジェットをやられて飛べなくなっていた。使えないお供に彼女は毒づく。


 さてさて。確かここで、チータスのSOS通信は妨害か何かされて基地に届かなかったような記憶があるが、運良く基地のコンボイさんが、チータスに連絡がつかないのを心配し、彼らを探しに行こうと考えていた。すると、さっきからずっとブラックウィドーを心配していたシルバーボルトが、すかさず自分も行くと名乗り出る。チータスはどうでもいいのか。ともかく、コンボイさんは反対するが、彼の気持ちを変えることはできず、根負けして同行を許す。傍らのラットルたちは、やれやれとそんな成り行きを見ているのであった。そして、コンボイとシルバーボルトは基地を飛び出していく。

 ところが、その様子をうかがっていた連中がいた。メガトロンを始めとするデストロンの連中が、サイバトロンの岩山基地近くに陣取っていたのだ。彼らは、まんまと当初の計画通り、サイバトロンの基地の守りをネズミとサイの駄じゃれコンビのみにするのに成功し、ほくそ笑む。


 さて、ここらもあやふやだけど、チータス&ブラックウィドー&原始人の子供の4人は、(確か)ふたたび、デストロンに襲われることになった。メタルスタランスは、今度は新発明の秘密兵器を持参していて嬉しいのか、すっかりご機嫌でぱらりらぱらりら〜と叫びながらやって来る。その後には、ワスピーターと、メガトロン様からつかわされた「助さん・格さん・うっかり八兵衛」こと、3匹のサイバーラプターが続き、チータスとブラックウィドーたちはまたもや危機に陥るが、そこにコンボイさんらが到着。しかし、到着するなり、コンボイさんはタランスの新兵器を背後から受けてひっくり返った。いったい何しにきたのだ司令官!


 一方、サイバトロン基地。その入り口に、メガトロンたちはじりじり近寄っていく。お調子者のクリックストライクが一番乗りをかってでて、メガトロンはそれを感嘆に許可しインフェルノの抗議を受けるが、なに、メガトロンも別にクイックストライクの能力を買ってる訳でもなかった。予想通り、サイバトロン基地の入り口には防衛装置があり、クイックストライクは叩きつけられ、ぴよぴよ〜となる。その後から続くメガトロンたちは、ついに一斉攻撃を始める。

 突然の攻撃に、基地のライノックスとラットルは善戦するが、多勢に無勢。仕方なくコンボイさんに助けを求めるのだが、その司令官はというと、タランスの新兵器にびりびりしているまっ最中なのであった。結局、ラットルたちのもとには、2人でなんとかしろーというありがたいお言葉と、話してるうちすっかり頭がおかしくなったコンボイさんの、♪おー、おー、あらそいはすとっぴぃっ、という、おなじみの歌だけが届けられる羽目になった。ラットルたちは半ば呆然としてそれを聞く。しかも、ひどい音痴ときている。

 歌の援護はあれ、2対4くらいでぼろぼろに押されている基地のラットルとライノックス。そのうち、ライノックスもやられて、残るはラットルひとりに。ところが突然、優勢のはずのデストロンが吹っ飛ぶ。コンボイさんが帰ってきたのかと思いきや、そうではなく、駆けつけたのはサイバトロンの新戦士、デプスチャージであった。(始めから基地にいなかったところをみると、彼もタイガトロンと同じように外で暮らしているのだろうか) 彼はたちまちデストロンをなぎ払い、あっという間に彼らを退却させる。すさまじい活躍ぶりに、ライノックスは「携帯の番号聞いとく?」とラットルと顔を見合わせ、「でも圏外なんじゃ」。デプスチャージ曰くかかるらしいが、もっとまともな通信機はないのか。


 ところで、順序が前後してるかもしれないけど、外出組側。サイバトロンは頼りのコンボイさんがひっくり返って使いものにならないうえ、3匹の銀色恐竜の前に大苦戦していた。だがそこに、こちらにも意外な助っ人が現れた。それはなんと、原始人のお父さん!
いつのまにか、彼らは原始人の家の近くまで来ていたらしい。そして、父親が子供たちのピンチに石斧片手にやってきたのだ。

 彼は銀色恐竜の一匹に飛びつくと、いきあたりばったりに、恐竜が背中にしょってたコントロール装置を破壊する。すると、恐竜は攻撃をぴたりとやめ、ぴょんぴょんとそこらで跳ねまわり始める。サイバーラプターの弱点を知ったブラックウィドーたちは、さっそく背中の装置を次々狙う。たちまちサイバーラプターは制御を失い、ワスピーターだかタランスのお腹のうえでぴょんぴょん跳ね始めるのだった。

 こうして危機を、自力で脱した原始人たちは、チータスらに別れを告げ、家へと帰っていくのであった。めでたし、めでたし。

 また、彼らの後ろ姿を見送るブラックウィドーに、チータスは優しい言葉をかける。ブラックウィドーもなんだかんだ言ってまんざらでもない様子だったが、シルバーボルトが近づいてくるのを見るなり、手のひらを返したようにチータスをこけおろすのだった。いったい・・・。


■ ■ ■

おまけ (情報はすべて当時のものです)


■ 「’99夏・東映アニメフェア」のパンフに載ってる情報にはびっくりです。チータスは「最年少メンバー」との事。ラットルとチータスではチータスの方が若いのか! なんとなく二人は同世代だと思い込んでいたのに・・・。

■ さらに、コンボイさんの脅威の4段変身の「ビーストモード」は、なんでも「百万ゴリラパワーを発揮!」らしい。なんですか百万ゴリラパワーとは。めちゃめちゃ弱そうなんですが・・・。

■ ビーストウォーズの情報が以下の電話で聞けるとのこと。まだ聞いてないや。
ビーストウォーズ情報テレホン 03−3604−1188 ← 現在は終了しています。

■ みなさんご存知でしょうけど、今秋「ビーストウォーズメタルス64」というビーストウォーズメタルスのゲームが64で発売決定だそうです。格闘ゲームみたいですね。

■ 「ビーストウォーズ映画化記念」ということで、期間中、ビーストウォーズの玩具についてくる「ビーストウォーズポイント」を6点以上集めてタカラに送ると、トランスメタルス新コンボイが1000名様に当たる!のだそう。映画館で買った方が早そうですが。(売り切れていなければ)

■ さて、「映画館に行ってもメタルス新コンボイなかった!」という人のために、ちゃんと「劇場商品通信販売」があります。どこまでも商魂たくましいな!
ビーストウォーズでは「新コンボイ」「新チータス」「デプスチャージ」「ダイノボット」「ラムラス」「スクリーム」「ソナー」があり。お問い合わせ先は「アニメフェア 通販係」 電話03−5995−7420。 申し込み締め切りは1999年8月31日です。品切れの場合もあるそうで、狙ってる人は急いで申し込みを!(現在は終了しています)

■ 1999年お正月に上映された「99年冬の映画」、いわゆるランページ登場の回のビデオが8月1日発売。しかもあの(謎の)総集編、「激突! ビースト戦士」との豪華二本立て! ついでに「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー『クイズ大百科』」なるビデオも発売らしい。いかにも・・・なビデオですなあ(笑)。パイオニアから発売予定。

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