第25話 平和を守るために…


 話は前回の続きから。エイリアンの作動した星破壊プログラムは、止めることもできないまま着々と進行していった。空に浮かんでいた、衛星(と誰もが思っていた)がぱくっとさけて、それは最終兵器へと姿を変える。エイリアンは、満足したのかいずこかへとその意識を帰還させた。

 メガトロンは、しかし、その事実を知っても動揺はしなかった。彼には、考えがあったのである。メガトロンは、彼を裏切りサイバトロン基地内に侵入していたタランス・ブラックウィドーと、彼らを追いかけているインフェルノにある期待をかけていたのだった。

 ところが、メガトロンの思惑とは異なり、基地内でごっつんこは、タランスをおとくいの武器で丸こげにしてしまう。結果、サイバトロン基地内にある、「救命ポッド」に細工されつつあった、ワープ信号は消えてしまった。メガトロンは、それをナビ子ちゃんから聞かされ言いようもなく憤慨する。

 さてサイバトロンの方の行動は遅かった。エイリアンの遺跡からようやく帰ってきた、コンボイさん・エアラザー、ラットルはすっかり様子を変えた月に気づいて驚く。そこに、チータス、タイガトロンも基地の前に帰ってきた。

 ちなみに彼らの真ん前の、基地の中では残されたインフェルノとブラックウィドーの、熾烈な戦いが繰り広げられていた。この戦いは、ブラックウィドーの勝利に終わる。彼女は、ぶっ倒れたタランスからデーターを奪い、星脱出のための情報を得ようとした。ところが。

 一方、いまさら基地内に入ってきたコンボイさんらは、ダイノボット・ライノックスがやられているのに気づいて驚く。コンボイさんは、侵入者を探すよう言うが、ただ、殺すなよと付け加えるのだった。ただでさえもうだめだと思っているラットルは、やる気のなさをかくそうともしない。

 そして、戸外では、エイリアンの置き土産の兵器のため、惑星の温度がじゃんじゃん上昇していた。埋められたエネルゴンの鉱脈が次々爆発し、惑星の景色も変えてしまうほどの地獄絵図が展開される。デストロン基地では、その様子をモニターで知って、みんな口々、てんで勝手なことを言って騒いでいたが、メガトロンだけは、そのなかにあってひとり妙に冷静であった。

 サイバトロン基地。ブラックウィドーは、ついに脱出のための、ポッドの(おそらくワープ関係の)プログラム書き換えを完了し、大喜びする、が、とたんにエアラザーらに銃口をつきつけられる。みんなは、その現場、格納庫にそそくさと集まった。そのさなかにも、惑星崩壊までの時間は刻々と減っていく。コンボイさんは、ポッドのプログラムを自分用に書きかえるようブラックウィドーに言う。(サイバトロンの技術の要、ライノックスは再生ポッドのなかでまだ当分直らないのだ。) 断るウィドーちゃんに、コンボイは、このポッドを、エイリアンの兵器に体当たりさせると言い放つ。ウィドーはけらけら笑うが、コンボイは本気だった。ポッドを体当たりのコースに乗せ、ぶつかる直前に脱出しようという危険きわまる作戦にでようというのだ。ウィドーちゃんは、彼の決意を知ると、プログラムを彼用に書き換えることを承諾する。

 サイバトロンの仲間はもちろん、ブラックウィドーでさえ見守るなか、コンボイさんは、お前たちは最高の仲間だったよ、と告げ、ポッドに乗り込む。そして、ハッチが開けられ、コンボイさんの載ったポッドは上昇していった…。

 ところがなんと、その事実を遠くデストロン基地で知ったメガトロンは狂喜した。彼は、てっきりタランスこそがそのポッドに乗り込んでいると思っていたのである。が、その中身が敵のリーダーだというのだ。

 エイリアンの兵器まで間近にポッドは間近にまで近づいた。コンボイさんは、脱出しようとするが、なんと誰もが予想しなかったことに、そのハッチは電磁ロックされていた。コンボイさんは驚愕するが、そこに、メガトロンが通信を送ってくる。彼は、何話も前からこういった事態を予測していて、ワープ転換装置に仕掛けをしておいたのだ。

 メガトロンは、裏切り者タランスにこそ、犠牲となって兵器に突っ込んでもらよう仕掛けをしておいたのだが、まさかコンボイさんが乗っているとは、と大喜びして勝ち誇る。ポッドを追跡していたサイバトロン基地では、コンボイが脱出しないのでみんなはらはらしていた。そして、メガトロンは自分たちの勝利を告げて、通信を切る。エイリアンの恐ろしい兵器は目前にせまった。コンボイさんは、はめられたことを知って、メガトロンの名を叫ぶが、どうなるはずもない。そして…。そして、そのままポッドはエイリアンの兵器にひといきに突っ込み、兵器は、ポッドもろとも大爆発して消えた。あとには、なにかの小さな破片が、宇宙空間を飛び交っていた。


衝撃の展開だが、これが最終回だった。でも心を痛めることはない。この後のエンディングで、コンボイさんは元気なことと、戻ってくる事を明言してくれる。それは確かに果たされる。安心していいのだ。

ところで、この回で意外に重要なのが、ブラックウィドーが(黒こげになった)タランスの意識に侵入し、情報を得たものの同時にタランスの意識に侵入されてしまうことである。ブラックウィドーは、おかげで、この後どえらい目にあうことになるのだ。どういうことかは、いずれ分かるだろう。


ちなみにアメリカでは、このすぐあとに第27話〜(日本だと13話の数え方(2話同時に放映された)によって、全25話だったり26話だったりしてややこしいんだが)、がある。それが、日本で「ビーストウォーズメタルス」として知られているシリーズ。と、いうわけでこの後、コンボイさんがどうなったか。他のみんながどうなるのか。物語はどういう方向へと向かっていくのかなどなど、すべてはメタルスで明らかになっていくだろう。お楽しみに!

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